僕はプリサーマル発電には反対、の姿勢は示してきたが
今まで明確に反原発の姿勢を示さなかった
でも、福島原発がいまだに制御不能な状態にある今
企業人としてはいいにくい面もあるが
はっきり自分のポジションを言う
世界中の原発は出来るだけ速やかに廃炉すべきだ
100年に1度の災害に耐えられる、
1000年に1度の想定外の未曾有の事態
などという言葉がマスコミ・ネットに踊る
地球の歴史から見れば1000年に1度は珍しいことではない
もうたくさんだ
福島浜通りの原発周辺は一般人が生活出来る場所ではなくなった
数年規模ではない、数千年規模だ
住むとすれば、それなりのリスクを背負うことになるだろう
1000年に1度の危機には人類は制御ができない事実に加え
後世に1万年以上の単位で禍根を残す
現世代だけで責任を負いきれないから反対する
残念だが、こどもに、孫に、未来に
こんな災いをもたらすエネルギーを使ってはいけない
信じられないことに2号炉の格納容器は破損したと思われる
容器内の放射性物質は大気中に放出されっぱなしだ
おまけにプルトニウムを使うプルサーマル炉の3号機は
悪魔のような半減期2万6000年のプルトニウム(Pu)が
ベント作業で直接排出されかねない重大局面を迎える
こちらの炉でも格納容器の破損まで疑われはじめている
この辺はカリフォルニア大学のモンリオール博士講演のスライド
(B. Monreal)を読むと良く分かる
危機を過大評価も過小評価もしない
(ただ、このスライドはプルサーマル炉である前提が欠けている)
「福島原発の放射能を理解する」
http://ribf.riken.jp/~koji/monreal.pdf
レベル5事態が3つの炉、レベル3事態が1つの炉で同時進行
このレベル設定すら怪しいものだが重大事態であることには違いない
少なくともスリーマイル島レベルの危機が3つ同時進行で進んでいる
東京電力が福島第1の6つの炉の廃炉方向を打ち出したのは当然だ
「法学的には設定の3倍以上の負荷は責任を免ぜられる」だと
どこかの御用学者が話している
ふざけるな
当初発表のマグニチュード8.4→8.8→9.0の度重なる修正は何だ
法学的な世界的な免責の理論武装をしただけ、と勘繰られても仕方ない
世界での原子力産業継続派の擁護に映ってしまう
事故は事故だ
責任は今どうこういう時期ではない
制御・停止・復旧に向けて、原発や被災地では
今、まさにこの瞬間、文字通り命がけの作業が行われている
しかし、僕は原子力発電をもう許容できない
人類が制御できないエネルギーは使ってはいけないと思う
原子爆弾はその多くの物質を一瞬で燃焼してしまう
しかし、原発は内部に放射性物質を大量に蓄えたまま
その処理を含めて数千年、数万年の未来に負債とする
パニックを恐れ冷静に事を運ぶのはセオリーだ
“東日本がつぶれない”ためにあらゆる努力を惜しまないのも当然だ
皆懸命に働き、学び、遊び、子どもを育て、生活する
しかしながら、大なり小なり東日本は放射能汚染された
原発周辺以外は一般生活に影響ない
例えばタバコの煙にまかれるより遥かに危険性の低いレベルとは言いつつ
これからは日本国民は放射能と共存して生きていかねばならない
ことに食生活への影響は東京でも大阪でも影響は大きいから
風評被害・デマの類は慎重に対処しなければならない
今は大きく話題にはなっていないが
食物連鎖・生物濃縮の問題は大きいだろう
炉を冷やすための大量投下された海水は
未処理のまま、太平洋に流れ出た
幸い列島への放射性物質の降下は少なかったようだが
空中飛散物は西寄りの風で大半は太平洋に降下したはずだ
原発周辺以外では一般生活には影響ない
今程度ならタバコや医療被曝の方がよっぽど害が大きい
今の線量推移なら、原発周辺以外は問題ないのは理解できる
ただ、食生活・飲食物には注意が必要だろう
チェルノブイリで発生したホットスポットのような例もある
農産物・海産物、これらで発生する生物濃縮
関西だって汚染飛び地ができる可能性の例外ではない
食べ物・飲み物・風向き・天候
これらに気をつけながら生きる時代が始まる
確かに原発の周辺以外で、現時点確認されている放射線量は微量だ
しかし、自衛手段・知識も、こどもたちを守るために必要なのだ
だからこそ、噂・デマの類は許されない
軽々しい行動・発言こそは慎むべきで
各人の放射能リテラシーが要求される
ごく微量ではあるけれど放射能との共生
そんな課題を日本人は強いられたと思っている
もう一度いう
制御できない原子力エネルギーはいらない
そのためなら昭和30年代の電力事情から
もう一度やり直して
日本の為、世界の為に努力する覚悟がある
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