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二番穂が揺れていた
中越地震の3週間後、僕は新潟・長岡にいた
辿り着いた山村では、稲刈りのあとがほったらかしにされ
スカスカの二番穂が風になびいていた
二番穂は稲刈りの後の株から延びた穂のことで
十分に暖かくて養分も十分にあれば
二期作ってヤツになるのだけど
新潟の土地では望むべくもなく
荒れるがままになっていた
田圃の底が抜けているかもしれず
05年の作付は期待薄の状態だった
1か月近く滞在した中越ではいろんな人に会った
避難所であったバアチャンの達観さ加減には驚いた
肩もんだらガチガチのくせして
「来年は米は無理だね」と話す様子は
地元の歴史上の著名人・良寛和尚のようだった
良寛さんは「災難に遭う時は素直に遭った方がいい」と
江戸期の地震の際に皆に説いて回ったのだとか
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きょう、新潟の知り合いから電話があった
今年は暑くなりそうで
田圃も苗代も平年より2,3週作業が早いと
電話の声は明るかった
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